タイムマシーン No.3
こんにちは。
夢を持って活動する子ども達との懸け橋となりたい
Respect each other ひとりひとりの存在を大切に育む
バスケで人と人を繋ぐ ドリビーのMidoriです。
タイムマシーン No.3
このページは、私が夫と共に歩いた足あとを記憶のタイムマシーンにのってひとりの女性として、妻として、母として、様々な経験と思いを交えて綴ります。夫がプロ監督になるまでのエピソードやその後の家族生活もいつか私がおばあちゃんになった時にのんびり読み返してみたいなとふんわりした気持ちで記します。もしも、ご興味があればお立ち寄りください。
2001年8月 婚約指輪
眩しい夏の光と蝉の声。数日だけお休みが取れると彼が言うので、それに合わせて小旅行に行こうか!とふたりで予定を考えた。色々迷った末にその行き先は、グアムに決まった。初めて一緒に飛行機に乗って知らない国へ旅立った。
彼はカタコトの英語で私の前に立ち、街の人に質問したりレストランで注文したり、何だか頼もしく感じた。海の潮風が心地よかった。サンセットクルーズでダンスをした。バナナボートに乗って南の島を楽しんだ。夕暮れのディナーの後に浜辺をお散歩した。波の音が今でも聴こえてくる。静かなさざなみ。この人と外国の海辺でお散歩しているんだな。まだ、半年程しか一緒に過ごしていないのにずっーと前から知っている人のような不思議な安心感があった。きっと彼も同じ気持ちだったのかも知れない。
朝になり帰国する時間が近づいてくる。彼は、またお散歩に行こうと私の手を引いて浜辺に来た。そして、「結婚しよう。幸せにするからずっと一緒にいよう」とプロポーズ。ストレートすぎて「うん。ありがとう」としか言えなかった。そうなる気がしていたけれど、言葉にされるとやっぱり嬉しかった。
そして、外国で指輪を買うと免税かな?なんて話をしている間に、ティファニーで指輪を眺めていたら、彼はダイヤモンドの婚約指輪と結婚指輪を一緒に購入しよう!とアッサリ決めて、帰国時にはダイヤモンドの婚約指輪付きで帰国した。何度もキラリと光る左手を眺めては、結婚ってこんなに簡単にできちゃうの?と少しづつ不安にもなった。それは、家族に何も伝えていなかったし友達にも話していなかったから。ただただ、その時は彼との時間が私にはワクワクする未来へ繋がる扉が開いた気がして胸が高鳴った。
帰国後、しばらくして岐阜の両親に彼を紹介して実家で会食をした。彼は、奥の座敷に通されるとはじめに私の顔を見て頷いてから「結婚前提でお付き合いしています」と汗が吹き出るほど緊張しながら話をした。私までドキドキした。
父は、体が大柄で背も高く黙っていると威圧感がある。少し青森弁訛りで声も大きい。どう見ても彼よりも強そうな存在感。父はお酒が強くてよく食べる人で、彼にお酒や料理をどんどん進めてもてなした。お互いに気を遣いながら数時間が過ぎた頃デザートの時間には和室に座布団を並べて酔い潰れた彼が眠っていた。「優しそうな奴だな」と同じくほろ酔いの父が私に言った。その時に「いい人で良かったな」と言われた気がした。今は亡き父のその時の笑顔を思い出すと懐かしさで涙が溢れる・・・
つづきはまた次のタイムマシーンで。。。